華林 第 10 号

(平成16年3月発行)

学ぶこと、努力すること

学校法人 佐藤栄学園
理事長 佐藤 栄太郎

 記念すべき十五年という節目の年を迎え、多くの方々の温かいご理解、ご支援に対し、心から厚くお礼を申し上げます。本学は平成元年、建学の精神を「人間是宝」と定め、国際情報化社会の到来を視野に入れ、全国初の理工系情報処理学科と情報処理教育をベースとする国語学科、英語学科の三学科を設け開学しました。平成14年には、学科名称を情報メディア学科、日本文化コミュニケーション学科、国際コミュニケーション学科と改め、新たに時代のニーズを先取りしたカリキュラムを展開しております。開学から十五年、今という学びの時代を大切にする私の座右の銘「今日学べ」の意味を教職員、卒業生、学生が十二分に理解し努力を重ね、誇りと記念すべき年となりました。

 卒業生の皆さんも職場で、学校で、家庭で「今日学べ」の教育の成果を基に新しい世界を創造していることと思います。心不在の社会とも言われておりますが、どんなに科学や技術や通信が発達しても、人間でなければできない三つのことがあります。一つは創造すること。智恵を駆使して機械を発展させていくという人間としての大切な役割です。二つ目は、人と人とのコミュニケーション。本当の自分の心や信条を伝え相手の求めることに応えていくこと。三つ目は決断。本学の学びで身に付けたこの三つを、さらに社会で応用的に学びながら大きく発展されるようにお願いをします。

 人間は、最後の最後まで学ぶことと、努力することがひとつの仕事であると、発明王エジソンも、福沢諭吉先生もいっています。今日という日を大切に、社会や職業人としての生活の中に大きく発展され、豊かで幸せな人生を送っていただくよう心からお願いします。

豊かで幸せな人生を

埼玉短期大学
学長 佐藤 照子

 埼玉短期大学が平成元年に誕生して、早や十五年が経ちました。本学に学生をお送りいただいた高等学校の皆様、保護者の皆様、卒業生の皆様など多くの皆様に支えられ、今日に至りましたことを心からうれしく存じます。

 二十一世紀のめざましく移り変わる社会の中で、私たちは、自ら学び、自ら考える「生きる力」を育み、学生一人ひとりが活き活きと多様な個性を発揮して、豊かで質の高い社会をつくっていくことが大切と考えます。ここにひとつの節目を迎え、本学の建学の精神「人間是宝」のもとに、無限の可能性を持つ若者たちが、二十一世紀をリードする広い見識を備えた豊かな人間となって、世界へ羽ばたくことを心から祈ってやみません。

 私も本学の心の教育を通して、様々な思い出を持ち今日に至りました。今後も心を正すことを教え続けられれば、自身の歩いてきた道が良かったと思えるのではないかと思います。

 卒業生の皆様も、本学の学びを社会や家庭で実践され、さらに多くの学びを育んでいることでしょう。人生において心のよりどころとなる大切なことは、向上心を持ち続け、努力を惜しまず辛抱強く勉強や仕事を続けることです。また、社会人として成長していくために、家庭であれ、会社であれ、不満や腹の立つことなどに忍耐して乗り越えることです。そして、正しいマナーを身につけ、思いやりの心を持ち、相手の身になって細かな気配りができるようになることです。

 本学の学びで身につけ、さらに社会で洗練されたマナーやコミュニケーションを日常忘れることなく大切に、豊で幸せな人生を笑顔で送られるようにお祈りしております。

自分の能力を引き出しているか

共通教養課程
槌本 衛

 私はプロ、高校、大リーグなどあらゆる野球が大好きである。今は「する野球」より「みる野球」が中心である。球場やテレビ観戦で不思議に思うことがある、それは走塁である。

 野球は「打つ・守る・投げる」から成り立っているが、走塁についてはあまり重要視されていないように感じられる。それはチーム内の個々の選手の走塁フォームがばらばらである。陸上競技の短距離競走であればゴールに向かって走り込めばよいが、野球の走塁の場合はベースへのスライディング、ベースをいかにスピードをおとさないで速くコーナーを廻り最短コースで次の塁まで達するかなどの動作がある。チーム内のすべての選手の足が速いとは限らない、足が遅いといわれる選手をみると自分の最大限の走力を引き出していない。いくつかの高校で少しアドバイスした結果、数段よくなった選手を目にしている。接戦のゲームでタッチアウト・セーフの判定がゲームを左右する中で走塁は大きなウェイトを占めている。

 我々も持っている能力を知らない場合があるのではないか、もう一度考える必要がある。

 先日、本校の卒業生が来校した。卒業後ある企業に就職して幾つか支店を転勤した後、最近本社に転勤になったとのことである。支店勤務時はパソコンとはあまり縁がなかったが本社勤務となってからはパソコンが中心とのことである。在学中はパソコンは得意ではなかったがいまでは各支店に指示を送ったり受けたりして上司からも認められ、企業として貴重な戦力であることが会話の中から感じられた

 もう一度、日常にながされることなく自分を見つめ直して今後の指針とすればよいと思う。