華林 第 1 号

(平成7年3月発行)

校友会会報の創刊を祝して

学校法人 佐藤栄学園
理事長 佐藤 栄太郎

 卒業生の皆さん、お元気でご活躍のことと推察いたします。この度の校友会会報の創刊、心よりお祝い申し上げます。

 昨年はバブル経済崩壊後の不況、それに伴う各企業の合理化やリストラ、円高に伴う空洞化、冷戦終結の影響等々、日本経済の様々な厳しい条件の中で、日本全体が変化と混迷の渦に巻き込まれた時代でした。年が明けて、景気の好転のきざしが見え始めた矢先に起こった兵庫県南部地震。阪神大震災は景気の回復に少なからず影響を及ぼすと云われています。そんな社会情勢の中、新たな決意をもって、建学の精神教育使命の教育理想に精進いたす所存であります。

 この機会に本学園の発祥の歴史を回顧しますと、昭和34年、開祖佐藤由江先生は戦後の復興と将来を展望し、明日に生きる青少年のために先ず教育をという信念から、「道の教え」の理念に基づいて、学園の母体である埼玉工業専門学校を創設されました。その理念を受継ぎ、昭和46年に法人化して学校法人佐藤栄学園とし、建学の精神を「人間是宝」−人は生きた資本、資産なり−と定め、若者の将来をえ、個性と能力に応じて、内在する可能性を最大限に開発する教育を実践し、21世紀を担う有為な人材を育成して24年、この間に学園が設置する各学校を卒業した同窓生の数は、実に四万数千人に達しています。

 さて、本学を卒業された皆さんはそれぞれの道に進まれ、時代と社会のニ−ズに応えて、「今日学べ」の教育の成果を、誇りと自信をもって実践されていることを確信いたします。職場で、学校で、家庭でそれぞれに当面している立場を理解し、その立場を大切に、「人は誰でも努力と勉強次第でその道の第一人者になれる」ことを信じ、今置かれている立場で、努力を重ねて最善を尽くし、創意工夫して事に当り、苦難に直面しては「為せば成る」の実力と精神力をもって克服し人から信頼される真の第一人者になることを期待しております。

 本学で学んだ多くの卒業生が、社会から高い評価を受けていることは、誠に喜ばしいことであります。これは、本学の教育がこれからの時代にふさわしい教育であることが社会に認められたからであり、先に述べた社会情勢によって閉ざされた雇用の門が、後輩のために開かれるからであります。

 今後は、校友会の会員として、本学卒業生としての自覚をもち、母校の発展のために協力し、21世紀のリーダーシップがとれるよう理想の道を邁進されることを切望します。

 皆さんのご健勝、ご多幸を心から願い、ご挨拶といたします。

21世紀の社会にむけて

埼玉短期大学
学長 佐藤 照子

 平成7年の新春を校友会の皆様には、穏やかな内に過ごされたことと思います。

 埼玉短期大学を卒業し、それぞれの社会でご活躍のこと、時折、会う方々によって報らされる便り、嬉しく聞いております。

 今日の社会は、国際化、情報化の進展、科学技術の発展、産業、就業の構造の変化、少子化、高齢化社会への移行、労働時間の短縮と自由時間の増加、女性の社会進出等、広範かつ、急速な社会変化を経験していますが、21世紀にむけて、創造的で、文化の香り高い社会を形成するには、国民一人ひとりが、いきいきと、多様な個性を発揮し、豊かで、質の高い、社会をつくっていく上で、教育、学術、文化、スポーツの果たす役割は大きいものがあります。

 「個性重視の傾向」「生涯学習の体系の移行」二つの視点より見定める教育は、すでに、スタートを切りました。

 平成社会を彩る人材の育成は、これからの高度科学文明社会を担うには、どんな能力が必要か考えてみることが大切です。

 21世紀社会は、5K社会ともいわれています。

 1、高度情報化社会

 2、高度技術化社会

 3、高齢化社会

 4、国際化社会

 5、環境保護社会

 5Kとは、広く人間と人間の未来を考える社会で、こんな分野に働いていける能力のある人材の育成が短大にも必要とされてくるようです。又、21世紀には男女共同参画型社会がつくられる時代であろうと予想されています。

 男女が社会に対等な構成員として、自らの意志によって、あらゆる分野に参画できる。均等に、政治的、経済的、社会的、文化的に利益を教授できる。共に責任を担うべき社会でいろんな活動のできるチャンスがあるようになります。様々な課題をかかえて今日、教育も少しずつ変わろうとしています。将来の日本を担う学生達の豊かな人間関係を図る、心の教育も大切と大きくかかげられました。

 道徳心のある豊かな心を持ち、逞しく、生き抜く若人の育成に努力を続けたいと思います。創立五周年への協力をここに感謝すると共に、皆さんの社会での活躍とご健康を心からお祈り申し上げます。

会報を卒業生の近況ニュースの泉に

幹事を代表して
梅田 大也

 1995年も明けてはや三ヶ月が過ぎようとしています。今年の幕開けはすごい事がありました。阪神大震災です。五千人以上もの人が亡くなり、何万という数の家屋の損壊がありました。この地震を機に地震対策が叫ばれているようですが、皆さんの家ではどうでしょうか。

 さて、私たちの母校である埼玉短期大学も創立六年が過ぎようとしています。大学ができたばかりで基礎が全くないころ、一生懸命に頑張られた1期生の皆さんありがとうございました。そして、その土台を踏み固めて、次の世代に受け継がせた2期生、3期生の皆さんご苦労さまでした。そして、新たなるものを目指して頑張った4期生、5期生の皆さんご苦労さまでした。これからも新たに飛躍し発展してゆく後輩たちを温かく見守ってほしいと思います。

 今年も3月19日に第5期生の卒業式が行われます。埼玉短期大学の卒業生も1860人を越すことになりました。校友会会員数も1860人以上になったわけです。そもそも、校友会とは、埼玉短期大学の卒業生の皆さんを対象に、「会員相互の親睦を図り、母校の発展に協力することを目的とする。」というようになっています。いろいろな意味で、この校友会に協力してもらえたらと思います。来年度の総会には役員の改選もあるかと思われます。自ら幹事になり企画等を立ててみたいと思う人は、ぜひ立候補して下さい。

 今回の会報を作るに当たって、理事長先生、学長先生、事務局長、顧問の先生をはじめ多くの先生方にご指導いただきありがとうございました。また、何回もの会議に出席された幹事、編集委員の皆様お忙しい中ご苦労さまでした。初めてのことで、話をまとめるのに大変苦労したかと思います。会員の皆様、校友会発足後なにもできずに、申し訳ありませんでした。このたび、校友会の事業として総会で賛成をえましたので、このような形で年に1〜2回会報を出していきたいと思います。

 今後、何かとご協力いただくことがあるかと思いますが、よろしくお願い致します。