華林 第 14 号

(平成20年3月発行)

「新たな旅立ちに向けて」

学校法人 佐藤栄学園
理事長 佐藤 栄太郎

 平成二十年春に本学を卒業される第十八期生の皆さんは、これまで培った大いなる可能性と新たな希望を持って、今日、新しい世界に旅立とうとしております。心からお祝いを申し上げます。

 第十八期生の皆さんには、在学中、本学の建学の精神である「人間是宝」、人は生きた資本資産なりの理想に基づき、努力と勉強次第でその道の第一人者になれるという夢の実現を可能にすること及び校訓である「今日学べ」、人は一日二十四時間をどう生かすかが「宝」になるかどうかの分岐点になるということを心に銘じ、学問の修得に頑張っていただいたと考えております。

 今後とも、激しく変化する我が国社会や世界の中で、不断の営みとして、確かな学力、そして豊かな人間形成と徳操を養い、広く世界文化経済の発展の先覚者としての自覚を持ち、平和社会の構築に奉仕できる人となるよう努めていただきたいと思います。

 埼玉短期大学は、平成元年に開学して以来、これまで四千六百名余の卒業生を輩出してまいりました。

 開学以来、特色ある三学科を置き、学生募集、学生に対する教育等に、鋭意、努めてまいりましたが、近年における十八才人口の減少等もあり、平成十九年度からの学生募集停止を経て、今春の在学生の卒業を待って廃止することになりました。

 現在に至るまで、本学から巣立った多くの卒業生が、社会の各方面から高い評価を受けていることは誠に喜ばしいことです。

 今後とも、校友会は、永く盛んに続けられていくものと確信しております。

 また、学園としても支援してまいりたいと思います。

 埼玉短期大学の卒業生として、本学で学んだ学識を活かされ、この二十一世紀において大いにリーダーシップを発揮し、輝き、理想の道を邁進されることを切に望みます。

「校友会の充実と発展を祈って」

埼玉短期大学
学長 藤井 明

 会員の皆さまにはますますご健勝のことと心よりおよろこびを申し上げます。

 母校にお寄せいただく日頃のご厚情にあらためて感謝の念を捧げたく存じます。

 今年度の卒業生の進路状況も例年になく良好で、教職員一同安堵の胸をなでおろしているところです。これも皆さまの社会に於けるご活躍の反映の賜であると確信しております。

 さてご案内のとおり母校も本年三月で十九年にわたる歴史に終止符を打つことになり、一抹の寂しさを禁じ得ません。有終の美を飾るべく、今日まで微力ではありますが教職員、学生打って一丸となって努力してまいりました。おかげさまで本日七十五名の学生が全員卒業証書を手にすることができました。

 先ほど申し述べましたとおり、制度上では母校は一旦閉学いたしますが、そこで培われた教育の精神は永遠不滅です。今後ますますその輝きを増していくこと請け合いです。

 と申しますのは、母校埼玉短期大学は、末永く皆さま会員一人ひとりの双肩に担われて存在することになり、「人間是宝」なる建学の精神のもと、皆さまがその実力を十分に発揮して活躍されることがそのまま母校の名を高からしめることになるからです。

 そのためにも、校友会の存在が旧に倍して大きなものとなるはずです。

 母校を同一にする者同士の集いである校友会は、利害得失を度外視して一致団結を図ることのできるこよなき団体です。

 母校のシンボルである大鵬が、翼を並べて雄々しくはばたくように、校友会がますます充実、発展して大きな力となり、母校の新しい形での再生に寄与することのできる日が到来することをひたすら願っております。

 結びになりますが、母校埼玉短期大学で分配されましたさまざまな種子を、皆さま一人ひとりが自らの花園で丹精をこめて栽培し、それが将来美しい「華林」となって皆さまの人生に豊かな彩りを添えるようにお祈りしてごあいさつといたします。

イメージと確信力

情報メディア学科 植村 明生

 昔聞いた話。大学受験では、地方の受験生と都会の受験生とでは合格率が違うらしい。理由の一つに、地方の受験生は志望校を直接見る機会に恵まれない為、パンフレットによる薄っぺらな情報が中心になる。しかし都会の受験生は電車に乗って日帰りで下見に行ける。そして実際にキャンパス内に入って人と接したり、校舎を見たり食堂でランチを食べたりできる。その結果、入学後のキャンパスで過ごしている学生生活がとてもイメージしやすくなる。同じれべるの者同士が競い合う場合、より強いイメージを抱き必ず実現させるのだという強い意志を持つ者が勝者になるのではないだろうか。

 イメージしたものをかたく信じて疑わない心の強さを持つことが大切なのである。これが確信力だと私は思う。私は今まで、「イメージと確信力」で世の中を渡ってきたつもりだ。

 たまに学生から「植村先生は落ち込んだり悩んだりしないのですか?」などと聞かれることがある。短大が閉鎖するのに、いつもヘラヘラニコニコしているので不思議なのだそうだ。心配してくれる学生たちには申し訳ないが、根っからの九州人なので暗くなれないのである。それと私には「イメージと確信力」があるので未来に対するマイナスなイメージが抱けないのである。なぜならば常にプラス思考で物事を考える為、イメージする世界も明るく楽しいものになってしまう。もしかしたら楽天主義者なのかもしれない。でも精神が病むほどネガティブに考えても辛いだけである。だったら明るく前向きに進歩発展向上しよう。

 最後に、確信力なんて言葉は辞書には載っていないのかもしれない。でもこれが私が皆さんに教えられる最後の言葉である。